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用語集

「株価分析」に登場する財務・会計・機械学習・データの専門用語をまとめました。記事を読んでいて言葉に詰まったら、ここに戻ってきてください。

50音順に並べ、グラフ・図の種類は チャート・図の名称、英語の略語(GARP・ROE・PCAなど)は末尾の 英字 に、それぞれまとめています。見出し語のうしろの( )内は、英語表記・別名・読みです。

あ行

アクルーアル(会計発生高) ― 純利益と営業キャッシュフローの差。利益のうち「まだ現金になっていない部分」の大きさで、利益の "質" を測ります。

異常検知 ― 大多数のデータと振る舞いが大きく異なる事例(外れ値)を見つけ出す手法。

異常リターン ― 個別銘柄のリターンから、市場平均(ベンチマーク)の動きを差し引いた、その銘柄だけの上乗せ分のリターン。

イベントスタディ ― 決算発表などの出来事の前後で、株価がどう反応したかを定量的に調べる分析。

イベントドリブン ― 決算やニュースなど、特定の出来事をきっかけに売買する投資手法。

売掛金(うりかけきん) ― 商品やサービスを提供したのに、まだ代金を受け取っていない売上分。あとで入金されますが、その間は利益に計上されても現金にはなっていません。

運転資本(うんてんしほん) ― 日々の事業を回すために必要な資金。売掛金や在庫が増えると現金が寝て、減ると現金が戻ってきます。

営業利益率(OPM) ― 営業利益 ÷ 売上高。本業でどれだけ効率よく稼いでいるかを示します。

永続価値(ターミナルバリュー) ― 毎年のキャッシュフローが一定のまま永遠に続くと仮定したときの、現在価値の合計。簡易DCFではFCF ÷ 割引率 で求めます。「毎年FCFを永遠に生むには元本がいくら要るか」と逆から考えると腑に落ちます ― 元本 × 割引率 = FCFなので、元本 = FCF ÷ 割引率(割引率7%ならFCFの約14倍)です。

か行

階層型クラスタリング ― 距離の近いデータから順に併合し、樹形図のように階層的にグループ分けする手法。

過学習(オーバーフィッティング) ― モデルが学習データに合わせすぎて、新しいデータでは当たらなくなる現象。

株式分割 ― 1 株を複数株に分けて株数を増やすこと。理論上は 1 株の価格が下がるため、過去の株価と比べるときは補正が必要です。

ガイダンス(会社予想) ― 企業が公式に発表する、翌期以降の業績見通し。

キャッシュフロー(営業/投資/財務) ― 会社に出入りする実際の現金の流れ。本業で稼ぐ「営業」、設備や買収に使う「投資」、借入・返済・配当の「財務」の3つに分かれます。

キャッシュフロー・マトリクス(CFマトリクス) ― 営業CFを横軸・投資CFを縦軸に取り、年ごとの点をたどって会社の局面を読む図。右下(営業+・投資−)は「稼いで投資する」健全な局面、左側(営業−)は本業で稼げていない局面を表し、フリーCF(営業+投資)がプラスの領域もひと目で分かります。

教師あり学習 ― 正解(ラベル)付きのデータで、「入力 → 正解」の関係を機械に学習させる方法。

教師なし学習 ― 正解ラベルを与えず、データ自身の構造やパターンを機械に見つけさせる学習。

クオンツ ― 株価や財務などのデータを数式・統計・プログラムで分析し、機械的に売買を判断する運用手法。

クラスタリング ― 似たデータを自動でグループ分けする手法の総称。

軽資産(アセットライト) ― 大きな設備や在庫を持たずに事業を回す形態。少ない資産で高い利益率を出しやすいのが特徴です。

決算サプライズ ― 実際の決算が、市場の事前予想からどれだけ上振れ/下振れたか。プラスのサプライズは好材料になりやすい。

決算短信 ― 企業が決算日から45日以内に出す、速報版の決算報告。セグメント情報なども載ります。

交差検証(クロスバリデーション) ― データを複数に分け、学習用と検証用を入れ替えながら繰り返し、性能を偏りなく確かめる方法。

勾配ブースティング ― 弱い予測器を1つずつ継ぎ足し、前の誤りを直しながら精度を高めていく機械学習手法。

コサイン類似度 ― 2つの数値の並び(ベクトル)の "向き" の近さで、似ている度合いを測る指標。

コングロマリット・ディスカウント ― 複数の事業を持つ会社が、各事業をばらばらに評価した合計より低く見積もられる現象。

コンセンサス(アナリストコンセンサス) ― 複数のアナリスト予想の平均値。市場の総合的な見方を表します。

5分足(ごふんあし) ― 5分間の値動きを1本の棒(始値・高値・安値・終値)で表したチャート。

さ行

在庫評価損益(在庫評価益・在庫評価損) ― 原油などの仕入れ値が動くと、保有する在庫の評価額が増減して損益に乗る分。価格上昇局面では評価益、下落局面では評価損になり、本業の稼ぐ力とは別物です。前期の評価損が翌期に反転すると、見かけの利益が大きく振れます。

残差 ― 実際の値と、予測値(または再構成した値)との差。

時価総額 ― 株価 × 発行済み株式数。株主の取り分としての「会社の値段」。

自己資本比率 ― 自己資本 ÷ 総資産。会社の財務の安全度を示します。

自社株買い(自己株式取得) ― 企業が自社の株式を市場から買い戻すこと。発行済み株式が減って 1 株当たり利益(EPS)が上がり、株主還元の手段になります。

上方修正・下方修正(業績予想の修正) ― 企業が一度発表した業績予想を、後から引き上げる(上方修正)/引き下げる(下方修正)こと。上方修正は好材料、下方修正は悪材料として株価に影響しやすい。

情報の非対称性 ― 市場参加者ごとに持っている情報が違う状態。会社・機関投資家・個人で見え方が異なる背景になります。

シルエット係数 ― クラスタリングの "分かれ具合の良さ" を測る指標(−1〜1 をとり、高いほど良い)。

スクレイピング ― ウェブページから必要なデータを自動で抜き出す技術。

正規化(標準化) ― データの大きさの単位をそろえる処理。スケールの違う指標どうしを比較・合算できるようにします。

精製マージン ― 原油を仕入れて石油製品(ガソリン・灯油など)に精製・販売するときの利ざや(製品価格 − 原料・コスト)。石油元売の本業の採算を大きく左右します。

セグメント(事業セグメント) ― 会社の事業を部門ごとに分けた単位。部門別の売上・利益が開示されます。

セクターETF ― エネルギーや卸売など、業種ごとの値動きをまとめて表す上場投資信託。比較の物差しに使います。

センチメント ― 市場の需給の "熱量"。出来高や売買代金の増え方などで測ります。

相関 ― 2つの数値が、どれだけ同じように動くかを表す度合い。

相関距離 ― 相関の強さを距離に変換した指標。よく似た値動きほど "近い" と扱います。

た行

対数リターン ― 株価の比(今日 ÷ 前日)の対数をとった、日々の変化率。足し合わせや銘柄間の比較がしやすく、分析でよく使われます。

タクソノミ ― XBRLで決められた、業種・会計基準ごとのタグの体系(データの辞書)。

多次元尺度構成法(MDS) ― 点どうしの距離の近さをできるだけ保ったまま、高次元のデータを2次元の地図に描く手法。

ディフェンシブ(ディフェンシブ株) ― 景気の波に業績が左右されにくく、株価が比較的安定している銘柄。食品・医薬・通信・電力など。

特徴量 ― 対象の特徴を表す数値。決算の形を表す各指標など、機械学習の入力になります。

特徴量重要度 ― モデルの予測に、どの特徴量がどれだけ効いているかを表す指標。

取引コスト ― 売買のたびにかかる、スプレッド(売値と買値の差)や手数料。

な行

ネットキャッシュ ― 手元の現金が有利子負債を上回っている状態。実質的に「無借金以上」で、ネットデットがマイナスのことです。

ネットデット(正味債務) ― 有利子負債から手元の現金を差し引いた、実質的な借金の大きさ。

のれん減損 ― 買収で支払った金額が見込んだ価値を下回ったとき、その差を損失として計上する会計処理。

は行

バックテスト ― 過去データを使って、売買ルールの成績を後から検証すること。

バリュートラップ(万年割安) ― 安いまま放置され、いつまでも値上がりしない割安株の罠。

パーセンタイル(百分位) ― 全体を順に並べたとき、上から(下から)何%の位置にあるかを表す値。単位の違う指標を同じ 0〜100 のものさしにそろえるのに使います。

日足(ひあし) ― 1日の値動きを1本の棒で表したチャート。

標準偏差(σ・シグマ) ― データのばらつきの大きさを表す値。「普段の値動きの幅」を 1σ とし、3σ・9σ のように「普段の何倍動いたか」を測る物差しになります。

ピア(同業・比較対象) ― 比較の物差しにする同業の銘柄群。「ピアで説明できない動き」は、その銘柄だけの個別材料を示します。

ピークアウト ― 成長の頂点を過ぎ、減速の局面に入ること。

ファンダ(ファンダメンタルズ) ― 売上・利益・財務など、企業の業績や財務体質そのもの。株価の需給や勢い(テクニカル)と対になる見方です。

ベータ(β) ― 市場全体(日経平均やTOPIX)に対する、個別銘柄の値動きの感応度。1 なら市場並み、1 より大きいほど市場より大きく振れます。

ベンチマーク ― 比較の基準にする指標。市場全体を表すTOPIXや、業種別のETFなどを使います。

平均回帰(平均への回帰) ― 一方向に動いたあと、反対方向へ戻ろうとする値動きの傾向。

ホールドアウト ― データの一部を取り置き、学習後の答え合わせ用に使う検証のやり方。

ボラティリティ ― 株価や値動きの振れ幅の大きさ。

ま行

前期比成長率 ― 1つ前の期間と比べた伸び率。事業の加速・減速を見ます。

マルチファクター ― Value(割安)・Quality(収益力)・Growth(成長)など、複数のものさしを並べて銘柄を採点する考え方。

モメンタム ― 株価のトレンドや勢い。上昇率や、移動平均線からの乖離などで測ります。

や行

有価証券報告書(有報) ― 企業が年1回提出する、詳しい決算報告書。キャッシュフロー計算書なども載ります。

有利子負債 ― 銀行借入・社債・CP(短期社債)など、利息のつく負債。

ら行

ランダムフォレスト ― たくさんの決定木(枝分かれで判定するルール)の多数決で予測する手法。

連結(連結決算) ― 親会社と子会社をまとめた、企業グループ全体での決算。ここでいう「企業合算」もこれにあたります。

ローリング相関 ― 一定期間ずつ区切りながら計算し直した相関。連動が強まった時期・崩れた時期の移り変わりが見えます。

わ行

割引率 ― 将来受け取るお金を「今の価値」に直すときに使う率。お金の時間価値や将来の不確かさを反映し、高いほど将来分を低く見積もります。簡易DCFでは、低め(5%前後)だと評価が高く出て強気、高め(10%前後)だと低く出て慎重、その中間の7%前後がよく使われます。

英字

API ― プログラムどうしがデータをやり取りするための窓口。

AUC ― 分類モデルが正例と負例をどれだけ "見分けられるか"(判別力)を 0.5〜1.0 で表す指標。1 に近いほど見分けがよく、0.5 は当てずっぽう並み。正解率(精度)とは別の物差しです。

BeautifulSoup ― HTMLやXMLを解析して、必要な情報を抜き出す Python ライブラリ。

BPS(1株当たり純資産) ― 純資産 ÷ 発行済み株式数。1株あたりの資産価値。

CAGR(年平均成長率) ― 数年分の成長を、毎年同じ率で伸びたとみなして均した成長率。

CAR(累積異常リターン) ― 決算発表の前後で、市場平均を差し引いた "その銘柄だけ" のリターンを積み上げた値。決算が株価にどれだけ効いたかを測ります。

CP(コマーシャル・ペーパー) ― 信用力のある企業が短期の資金繰りのために発行する、無担保の約束手形。満期は1年未満が中心で、銀行借入・社債と並ぶ有利子負債の一種です。

CSV ― 値をカンマで区切った、表計算ソフトでも開ける単純なテキスト形式。

DCF(割引キャッシュフロー法) ― 将来生み出す現金を、現在の価値に割り引いて足し合わせ、会社の価値を見積もる方法。

EBITDA ― 営業利益に減価償却費を足し戻した、おおまかな現金の稼ぐ力。

EDINET ― 金融庁の電子開示システム。有価証券報告書などを取得できます。

embedding(埋め込み表現) ― 文章や決算などの意味を、機械が扱える数値ベクトルに変換したもの。近いベクトルどうしは意味が似ています。

EPS(1株当たり利益) ― 純利益 ÷ 発行済み株式数。1株あたりの利益。

EV(企業価値/エンタープライズバリュー) ― 時価総額に有利子負債を足し、現金を引いた、「会社を丸ごと買うときの実質的な値段」。

EV/EBITDA ― 企業価値(EV)がEBITDAの何倍かを表す、業種をまたいで使える割安・割高の物差し。

FCF(フリーキャッシュフロー) ― 会社が自由に使える現金。簡易には営業CF+投資CF(投資CFは通常マイナスなので、足すといっても実質は稼ぎから投資の純額を引いた形)。ただし投資CFは設備投資だけでなく資産・子会社の売却も含むため、大きな売却があった期は跳ねる。狭く営業CF−設備投資(CapEx)で測ることもある。

GARP(Growth At a Reasonable Price) ― 成長を確かめたうえで、無理のない価格で買う ― "成長と割安の両立" を狙う投資戦略。

IFRS(国際財務報告基準) ― 国際的に使われる会計基準。日本基準とは利益の出方などが異なります。

JSON ― 階層のある構造化データを表すテキスト形式。

K-means(k平均法) ― データを中心点からの距離で K 個のグループに分ける、代表的なクラスタリング手法。

K-NN(K近傍法) ― 近くにある既知データをもとに、多数決(分類)または平均(回帰)で新しいデータを予測する手法。

LightGBM ― 決定木をベースにした、高速な勾配ブースティングの機械学習ライブラリ。

parquet ― 型を保ったまま、CSVより速く・小さく保存できる列指向のファイル形式。

PBR(株価純資産倍率) ― 株価が1株当たり純資産(BPS)の何倍かを表す指標。

PCA(主成分分析) ― 多くの次元の情報を、要点を残したまま2次元などに圧縮して、可視化・分析する手法。

PEAD(決算発表後ドリフト) ― 決算サプライズのあと、しばらく同じ方向に株価が動き続ける現象。

PEG(PEG比) ― PERを利益成長率で割った指標。成長率に見合った割安度を測ります。

PER(株価収益率) ― 株価が1株当たり利益(EPS)の何倍かを表す指標。

Permutation Importance(順列重要度) ― ある特徴量の値をわざとシャッフルし、精度がどれだけ落ちるかで重要度を測る方法。

Plotly ― マウス操作で動かせるグラフを描く、データ可視化ライブラリ。

ROA(総資産利益率) ― 純利益 ÷ 総資産。すべての資産でどれだけ効率よく稼いだかを示します。

ROE(自己資本利益率) ― 純利益 ÷ 自己資本。株主の資本でどれだけ効率よく稼いだかを示します。

Sloan(スローン) ― アクルーアル分析を実証した研究者。アクルーアルの低い銘柄が高い銘柄を上回って値上がりする傾向を、1996年に示しました。

Streamlit ― Python だけで対話的なウェブアプリを手軽に作れるライブラリ。

TDnet ― 東証の適時開示システム。決算短信や重要なお知らせが公開されます。

TOPIX ― 東証の株価指数。市場全体の動きを表し、比較の基準(ベンチマーク)に使われます。

Ward法 ― 階層型クラスタリングで、まとめたときのばらつきの増加が最も小さくなるよう併合していく方法。

XBRL(eXtensible Business Reporting Language) ― 決算情報にタグを付けて機械が読めるようにしたデータ形式。数値を自動で抽出できます。

yfinance ― Yahoo! ファイナンスから株価データを取得する Python ライブラリ。

チャート

記事で使う、グラフ・図の種類です。

散布図(スキャッタープロット) ― 2つの数値を縦軸・横軸にとり、点の散らばりで分布や関係を見る図。

時系列チャート(推移グラフ) ― 横軸に時間をとり、数値の移り変わりを折れ線で追う図。「○年推移」など。

主成分プロット(PCAマップ) ― PCA(主成分分析)で2次元に圧縮した点を散布図として描き、似た者どうしの近さを見る図。

樹形図(デンドログラム) ― 階層型クラスタリングの併合の過程を、下から枝分かれする木のかたちで描いた図。どこで切ると何グループになるかが見えます。

十分位(デシル)チャート ― 対象を予測スコアなどで上位から10等分し、グループごとの成績を棒で比べる図。

相関ヒートマップ(相関行列) ― 銘柄どうしの相関の強さを色の濃淡で敷き詰め、連動する塊(ブロック)を浮かび上がらせる図。

ダンベルチャート(連結ドットプロット) ― 各行について複数の点を1本の線で結び、2時点の変化や値のばらつきを見る図。大きい点=直近期、小さい点=過去期など。EV/営業CF倍率や簡易DCFの比較に使います。

積み上げ棒グラフ ― 1本の棒を内訳で積み上げ、合計と構成比を同時に見る図。EVの構成など。

ヒートマップ ― 数値の大小を色の濃淡で表す、表のかたちの図。一覧の序列を一目でつかめます。

棒グラフ(ランキングチャート) ― 値の大小を棒の長さで比べる図。Top10・Top20 などの順位表示に使います。

4象限マップ(4象限図) ― 2つの指標を縦軸・横軸にとり、平面を4つのゾーンに分けて位置づける図。GARPマップや予想検証マップに使います。

レーダーチャート(スパイダーチャート) ― 複数の評価軸を放射状に並べ、結んだ形のいびつさで全体の性格を見る図。

ローソク足チャート ― 一定期間(日足・5分足など)の値動きを、始値・高値・安値・終値を持つ1本の "ローソク" で表すチャート。